2016/04/26

ああ、食い違い。

女と男の傾向のちがい、と安易に分けたくはないが。
どうしても、女が関心を寄せる話題と、男が関心を寄せる話題は、大きく分ければ別の枠組みになるらしい。
もちろん女的なネタの盛り上がりに乗れない・乗らない女性もいるし、逆もまたしかりなので、あくまでも個人の傾向の違いではあるが。

まわりくどいけれど、何のことかといえば、私の関心事と師匠の関心事の違い方のことで。
料理につかうこだわりの食材とか、インテリアの鉢植えとか、自然派の化粧品とか、
そういうものに師匠がひとっつも関心がないのと同じくらいに、
私は、師匠がテレビにかじりつくスポーツ観戦全般にひとっっつも興味がない。
(師匠に限らず、いままでのパートナーは大抵スポーツを観るのが大好きだったが、私はどうやっても興味を持てなかった。)

そのへんはもう、お互いの領域の違いを荒らさないという暗黙の了解のつもりだったが、
人というのはやはり、自分が面白がっているものを側にいる人に伝達せずにいられないらしい。

深夜、師匠がいつものようにスポーツチャンネルを回すと、運悪く(運良く?)錦織vsナダルのテニスのオープン決勝戦をやっていた。
大人しく観ていればいいものを、「ナイッスー!」「ア〜 シッ(=ちくしょう)」「アイゴ〜!」と、ひとり大興奮である。深夜1時すぎ。
さらには「いまのはどこが良かったかというと…」と解説をつけてくる。しばらく相づちを打ってみたが、なんせ興味ないので、
「テニスの面白さがちっともわからない私には身に余る解説です。」
と、丁重に申し上げておいた。

すると、一瞬大人しくなるのだがすぐに「あっほら今の絶妙なサーブが…」と言いだし、「…って言ってもあなたは興味ないんだよね。」としゅんとなるので、ちょっと悪いなと思い、「聞くだけ聞きましょう」と応じることにした。

自分の作業をしつつ30%くらい耳に入れ、フンフン、それで?ほお、フンフン。を繰り返していたのだが、
「ファン・インジョンは体力は劣るが持久力はあるんだよ」
という言葉がなぜか耳に入り、
「ふんふん。で、ファン・インジョンはいつ活躍した選手?」
と何気なく聞いてしまった。

すると、師匠の表情になんともびみょーな気まずい色が浮かんだ。

「いや…なんていうのか…ファンというのはイエローのことだ」と。

ファン(黄)
イン(人)
ジョン(種)。


黄色人種の体力の話だったらしい。


スポーツの話は、5%くらいしか聞いていないことがバレバレ。

おかげで、その後はすっかり大人しくなって観戦していました。



それにしても、「イエローのこと」…って。
分かるように伝えようと、とっさに出てきた言葉らしい。