2015/03/31

三度目の春。

やっと暖かくなってきた。

ソウルではいつから「冬」だったかと思い返せば、
去年11月半ばくらいに初めて気温がマイナスになったと記憶している(11月の全国統一受験日は毎年必ず気温がぐっと下がって、「受験寒波」という言葉があるくらい)。
ということは、4ヶ月半くらい冬だった、ということになる。じっさい長い冬だった。

ほころんだ梅や木蓮の白、ケナリ(レンギョウ)の黄色が目に飛び込んでくると、
おお、久しぶり!待っていたよ!という気分になる。
2年前、留学のためにソウルに来たばかりの頃、寮の部屋から見える裏山は茶色くくすんでいた。
山の木々に花が咲き始めたころ、クラスメートのインドネシアの友人が、
韓国の木には花が咲かないと思ってた! 
と、喜んでいたことを、何となく思い出した。
花が咲かないわけないだろう〜と笑ったけど、南アジアの人がそう思うのも無理ないくらい、韓国の冬は冷たく無愛想だった。

韓国で三度目の春。
「さんどめのはる〜」って何かの歌の歌詞にあったよなあと考えたが思い出せない。

3月は締めの季節、4月は始まりの季節。
って、日本ではそういうイメージがしっかり刷り込まれていたけれど、
韓国では、学校が始まるのは3月からで、大学などではオリエンテーションが2月末から始まっていたりするので、「4月始まり」というのが全くしっくり来ない。
職場が大学なので、もう既に通常授業がはじまって一月以上たっているのを見ている私としては、いまFacebookで日本の卒業式のようすを見て奇妙な時差を感じたりしている。

しかし長い間住んでいた地での季節と慣習の感覚は、なかなか抜けないようで、
やっぱり、3月になにか一区切りをつけ、4月から新たに始めようという気分になる。

さて。
なにを新たに始めようか。

とりあえず今年のささやかな目標は「山に登る」ということで、山の麓に住んでいるソウル人らしく、初心者ハイキングコースから初めてみようかなーと思う。そんな春。

(写真はソウルじゃないけれど。^^;;)





2015/03/07

「韓国の年齢でいえば」。

韓国では年齢を数え年で表すので、慣れるまで非常にややこしかった。
生まれた時が、1歳。そして年齢が増えるのは誕生日ではなく新しい年に変わったとき。
なので、12月生まれだと、うまれた翌月には2歳なわけだ。(だからか、1~2歳までは年ではなく月齢で言うことのほうが多いかも)

年齢を聞いたときに自分より2歳上だと認識した人が、じつは同い年だった。なんてこともよくある。面倒なので、年齢を聞かれたら生まれた年で言うようにしている。
もしくは、「韓国の年齢で言えば(한국 나이로 말하면)...」と前置きして、数え年で言う。

まあ、1歳や2歳どうでもいいことかもしれませんが…どうでもよくないのが韓国社会で。
初対面でも、年齢をがんがん聞かれる。なんなら、名前の次には歳を聞かれる。
なぜなら、年上か年下かで呼び方(オンニ・ヌナ(姉さん)、オッパ・ヒョン(兄さん)をつけるかどうか)や、敬語を使うか否かが変わるから。
日本だと「失礼ですか…」と恐る恐る歳を聞いたりするけど、こちらではむしろ礼儀のために歳を聞くのかもしれない。良いか悪いかは別として。

新年を迎えると一律で1歳年をとる、というのは、やだなあと思っていたけれど、
案外、「誕生日が来たらプラス1歳」という考え方のほうが、狭小かもしれない。
なぜなら、誕生日の日にちというものも、曖昧なものだから。

先日、韓国の友人に誕生日を聞いたら、
「今年は1月21日…くらい。」という。
なんなんだその曖昧さは!と笑っていたら、友人いわく「旧暦で覚えているから、毎年誕生日はカレンダーを見ないとわからない」と。
そうなの?!びっくり!(ちなみに、現在30~40代以下の世代でほとんどは誕生日は新暦だそうだけど。友人は40代前半)
そういえば、昔、在日スーダン人の友だちに誕生日を聞いたら「しらない。覚えてない」とあっさり言っていた。自分の誕生日を知らないなんて!と驚愕したけれど、彼にとっては「それが何か?」という感覚だったみたい。(それで、友人たちとで勝手に出会った日を誕生日に決めて、誕生日パーティーをした覚えがある)
大学院でバングラデシュ人の級友は、登録上は12月31日が誕生日だったけれど、「本当は4月に生まれたんだ」というので、4月に誕生日を祝ってあげた。

そう思うと、(陽暦の)誕生日にきっちり年をとる、なんてことはない。
年の重ね方は人それぞれだ。私たちは曖昧に成長して老いていく。何歳、という数は、じつは任意なのだ。

と、言いつつも。
いくつになっても誕生日を楽しみにしている私である。

去年くらいから自分で「だいたい40歳」と称してきたので、すっかり私は四十路。と思ってしまっていたけれど。そういえば昨日まで38歳だったのか!(どこへ行ってたんだ、この2歳は…)
本日をもって満39。「韓国の年齢で」ちゃんと四十路でございます。
いまだに青臭く悩み惑い続けている今日この頃。
「不惑」の域にはほど遠し。