2014/10/11

コーヒーの味。

同じ職場の職員さんが、
「日本のコーヒーはまずい。」
と言ったので、のけぞってしまった。

悪いけど、韓国のコーヒーはなんでこんなに美味しくないんだろう。と、常々苦々しく思っていたから。
最近でこそ、ハンドドリップやら自家焙煎やら自前の美味しいコーヒーを追求するカフェも増えたけれど。(ただし高い。わたしの普段の昼食代よりはるかに高い。)

その職員さんが日本で飲んだコーヒーは、ド●ールコーヒーだったそうで。
そりゃまあ、ド●ールはとっても美味しいコーヒーじゃないけど、価格対比、許される味だと私は思っている。
って主張してみたが、彼女は「いいえ、まずいまずい。韓国の方がマシ。」と譲らなかった。なんとなく、腑に落ちず。

別の機会に、「去年日本に初めて行きました」という職員は、
「日本で感動したのは、とんかつとコーヒーがうまかったことっす!」と。
見るからに「僕とんかつ大好物っす!」って感じの体格の男性だったが、
彼がうまかったと言ったコーヒーもまた、ド●ールだったらしい。
えー、でも韓国のコーヒーの方が良いと言う人もいますよ、と意地悪く言ってみたら、
「それはないっす。日本ではどこへ行ってもコーヒーがすごい安いのにうまかったです!」

彼は日本で「美味しい食べもの」と「親切な店員さん」に出会って、日本に対するイメージがすこぶる良かった。日本で見聞きしたことを話すとき、楽しそうだった。

彼女(職員さん1)は、日本の食べものが「美味しくなかった」と言っていた。
日本語も好きじゃない。日本のコーヒーも好きじゃない。
と、いうか、日本に対してそもそも良いイメージを持っていなかった。

クニに対するイメージがまず全部を覆って、食べ物とか言葉とか人とか個々の部分に対する好みを色づけてしまうのか。
それとも、食べ物、ドラマ、音楽、コスメ…それら個々の好き嫌いが強く反映されて、クニに対するイメージがつくのだろうか。


まあ、コーヒーの味はそもそも単なる好みの問題かもしれないけれど。

職員さん1は、感動的に美味しいコーヒーを日本で飲んでいたら、日本に対するイメージが変わっただろうか。
もしくは、日本に対して少し良いイメージを持てていたら、ド●ールのコーヒーはまた違った味わいだったろうか。

そんなことを、
日本で馴染みの喫茶店「蜜蜂」に5年ぶりくらいに訪れ、コーヒーをすすりながら、思った。