2013/03/27

ガス抜きに。

地味な生活が続く。

日々、ほとんどの時間を自室の机で過ごしている。
朝起きて、机に座って、パソコンをつけて、下手するとご飯を食べる以外はずっと机の前に固まっていることもある。
何をしているかといえば勉強をしているわけなんだけど、我ながらなぜにこんなに時間がかかるのかわからない。
授業ごと、テキストを読んで分析またはケーススタディ、要約ノートなどのレポートを提出する。テキストの内容自体は基礎的なもので、それほど難しくない…んだと思う。たぶん。
とにかく、こんなに英語ができなかったのか私!とたまげるくらいに、テキストを読むのに時間がかかる。そして読解力の足りなさに泣きたくなる。
なんかきっと、勉強の仕方が間違っているのだわと思ってみたり、いやコツコツやるしかない、勉強に近道はないと教授もおっしゃっていたではないか、と励ましてみたり。
と、言いつつ、常につながっているSNSの誘惑に負け、ついついネットに寄り道。
そして思い出したようにストレッチ体操。
幸か不幸か、ルームメイトの二人も、その辺の気合いというか勉強筋肉のつき方が似たり寄ったりのレベルなので、
三人して「どこまで読んだ?」「何ページ書けた?」「読んだけどぜんぜんわかんない〜」「あと100ワード足りない…」とかまるで大学生な会話で慰めあい、それぞれ寄り道をやめられず、追い込みあっているという日々だ。

ガス抜きのために、散歩に出た。

寮のすぐ裏は、小さな山だ(おかげで部屋からの風景の写真を見た友人が「これはソウルではない」と主張しやがった)。
とりあえず山道を登ってずんずん歩いてみると、ひょこっと列車の線路道に出た。



恐らく廃線になっているのだろう。おじちゃんやらおばちゃんやらが、全く気にせずに線路の上をズンドコ歩いている。

ときどき、レールに腰掛けているおばちゃん達がいる。
大体が原色のスポーツウェアと、サンバイザーを着けている。散歩の途中なのか、仕事の帰りなのか(通勤路?)、憩の場所なのか、イマイチわからないが
線路に腰掛ける人のいる風景が、わたしはとても好きだ。
なぜだか、『旅の途中』という言葉が頭をよぎる。

線路の脇では、広大な公園を造っているらしい。
立ててあった現場地図から見るに、そうとうな面積の公園だ。現在、絶賛建設中。
…なのか?


いつ完成するつもりなのだろう。この日、動いて作業している人は5人しか見なかったけど。

白犬と茶色の犬が、きゃんきゃんとじゃれながら、線路のむこうへ走っていく。
どこまでも茶色い、土ぼこりの舞う光景が広がる。線路の先のずっと向こうに、高層マンションの林がかすんで見える。

ここはどこでもない、どこにでもある、アジアの片隅の風景だ。
線路はどこまでもつづくようだけど、線路は必ずどこかで終わる。
必ずどこかに目的地があり、必ずどこかにたどり着く。
たとえそれが、レールの途切れた何もない場所だったとしても。

などということをつらつら考えながら歩くが、
別にだからどうだというわけでもなく、なにかの教訓を得たわけでもなかった。

とりあえず、戻ったらまた開かねばならないテキストを頭から追いやり、
必ずたどり着くどこかに向かって、むりやりスキップしてみたのであった。