実際のところ、大学は新学期を迎えるのだった。
私たちの授業はもう始まっていたので、大学はスタートしている感でいたけど。
午前中は寮にこもっており、午後3時の授業前に、売店に用事があったので外に出た。
すると、そこには「大学の風景」が広がっていた。
わー……
な、なんだろう。この戸惑いは。
自分の部屋から一歩出たらそこは大学だった、みたいな。
(実際、寮は大学敷地内にあるのだからその通りなんだけど)
新歓机出しみたいなのも、ちらほらやってるし!
大学卒業から早15年。この間、もちろん一般の大学に足を踏み入れることは度々あったけれど、自分がこういう場所に「学生として」いるというのが、なんともむずがゆい。
まてよ…、卒業から15年、ってことは、わたしが大学入学した年に生まれた子が、
いま新入生としてここにいるかもしれないってことか?
などというくだらない計算を頭の中でぐるぐるとしながら、
きゃいきゃい騒いでいる彼らの脇をすり抜ける。
今日はまたずいぶんと暖かい。
閑散としていたキャンパスに学生の姿が入り、ヒーターのスイッチが入ったようにこの空間が暖まっている のかもしれない。
なんつって、
裏起毛タイツなんか履いている場合じゃないぜ!
(※裏起毛タイツはすんごくあったかくてこの冬手放せなかった必須アイテム。その代わり足がぶっとく見えるのを堪えなければならない)
いったん部屋に戻り、タイツを脱ぎ捨て、すこーし薄手のタイツに着替え、
きもち、リップを塗って授業に挑むのであった。
春ですから。
夜はまだまだ冷えこんで、溶け残る雪もぽつぽつあるけれど、
よーく見ると… 春のきざしを発見。